株式市場の価格形成

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「今日の株式市場の様子は…」とか「今日の日経平均株価は…」などで始まるNHKなどのニュースを耳にしたことのある人は多いと思います。これらのニュースでは、今日の株価すなわち、株式の価格はいくら位ということを伝えています。

ところで、株価とはどのように決まるのでしょうか? 高等学校の「政治経済」の教科書などを紐解くと、財の価格は、需要と供給が均衡することで決まると書かれています。例えば、1日5個限定のレアもののクリームパンの価格を考えてみましょう。クリームパンの人気がある状況で、5人の人が500円を出しても買いたい、更に5人の人が300円以内なら買いたいという状況では、500円を出す5人の人に500円で販売されることになり、価格は500円に決まります。この500円という価格が、需要と供給の均衡価格といわれる価格です。

それでは、株式市場の場合はどうなのでしょうか?株式の場合は、株式を買いたいと思う投資家は、大体この程度の価格なら買いたいという留保価格を持っています。勿論、株式を購入することで利益を得たいと考えているので、色々な情報を集めて自分なりに妥当な価格と思う水準で取引を希望することになります。では、どのように均衡価格は決まるのでしょうか?

2013年にノーベル経済学賞を共同受賞した米国のファーマ教授(Professor. Eugene F. Fama)は、株式市場の株価の決定メカニズムを、「効率的市場仮説」と言われる仮説で説明を試みています。十分に株式に関する情報を持っている投資家は、市場で決まった価格が過大評価であると予想できるとき、売り注文を出し、過小評価であると予想するときは、買い注文を出すことで、利益を得ようとします。このような情報を持った投資家の取引の結果、株式価格は、過大でも過小でもない水準で均衡することになります。言い方を変えると、同株式に関する過去の情報を用いては利益を得られない水準で株価は均衡することになり、このような市場のことを効率的市場と呼びます。

勿論、現実の株式市場では、効率的市場であったとしても、常に株価が過大でも過小でもない水準で均衡しているわけではありませんが、そのようなときには、情報を持った投資家が、過大(過小)だったと思うと売り(買い)注文を出すことで、価格が下がり(上がり)、情報効率的な均衡価格に落ちつくことになります。すなわち、市場が情報を持った投資家たちの情報を集約した価格付けを行うというメカニズムが働くことになります。

現在の社会では、株式市場のシステムはどんどん進化して、多くの情報が瞬時に反映されるようなシステムになっています。一度、株価の推移とその企業の情報の関係性などに意識してみると、株価に情報が反映される様子が分かり、株式市場が身近な存在に思えるのではないでしょうか?

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著者:坂和秀晃

キーワード:株式市場・効率的市場

参考になる授業:金融システム論